
小規模アクセサリーECがAI試着を導入するコストの現実
「AI試着っていくらかかるの」と聞かれたとき、月額料金だけ答えるのは不誠実です。小規模なアクセサリー店にとって本当のコストは、画像を用意する時間だからです。
自店(Adelina Style)で数百SKUの試着を運用してきた経験から、費用と手間を分けて書きます。
費用:月額
DokimiAIの場合、プランは機能で分かれていて、商品数や試着回数には制限がありません。
| Free | Pro | Business | |
|---|---|---|---|
| 商品数・試着回数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| ピアス試着・SNSシェア | ○ | ○ | ○ |
| 帽子・背景切替 | × | ○ | ○ |
| アバター試着 | × | × | ○ |
| 「Powered by DokimiAI」表示 | あり | なし | なし |
| 月額 | ¥0 | ¥12,800 | ¥29,800 |
(Shopify版はApp Store経由のUSD建て:Pro $85/Business $198)
つまりピアスの試着だけなら¥0で全商品に入ります。有料の違いは帽子・背景・アバターといった追加機能と、Powered by表示の有無です。「試着が売上に効くか」の検証は無料のまま全部できます。
商品数課金や試着回数課金でないのは、私たち自身が店として「試着が使われるほど高くなる」契約を結びたくなかったからです。
手間:透過PNG
ここが本当のコストです。
試着には商品ごとに背景透過PNGが1枚(色展開があれば色ごと)必要で、これは店側で用意します。自店の実績で言うと:
- 撮影条件が良い商品:背景除去は自動で通り、確認込みで1商品5分程度
- 反射が強い商品・細いチェーン:自動では抜けず、手動の切り抜きか撮り直し。1商品15〜30分
- 一定数は諦める:ミラー仕上げなど、どうやっても抜けない商品は試着対象から外す
商品数が100あれば、単純計算で10〜20時間。ただし全商品を一度にやる必要はありません。売れ筋10商品から始めて、反応を見て広げるのが現実的です。
撮影の時点で条件を揃えれば後工程が激減するので、これから撮る商品は透過PNGの記事の撮影条件に合わせてください。既存の商品写真を流用するより、撮り直した方が結局早い、というのが自店の結論です。
手間:実寸の登録
商品ごとに高さ(mm)を1つ入れます。商品スペックに寸法があれば転記するだけで、1商品1分。ただしフープは「内径+線径×2」のように計算が要り、サイズ展開があるとサイズごとに入れます。
ここを省くと全部が既定の大きさで描かれて、試着の意味がなくなります。時間はかからないので必ずやってください。
手間:設置
ShopifyならApp Blockをテーマエディタで置く、WooCommerceならプラグインを入れる、それ以外は設置コードを貼る。画像さえあれば最初の1商品が動くまで15分程度です。
設置に工数がかかるとしたら、テーマがページビルダーで完全に組み替えられている場合くらいです。
隠れたコスト:最初の1商品
一番見落とされるのは、1商品目で「思ったのと違う」となる時間です。画像の余白が多くて小さく描かれる、色名の綴りが違って表示されない、実寸を入れ忘れて巨大に出る。全部、この記事群に書いてある典型的なつまずきですが、初回は必ず何かにぶつかります。
だから、画像を大量に作る前に、1商品だけで試着が耳に乗るところまで到達してください。ここまでは無料で、1時間もあれば十分です。それから残りの画像を作った方が、撮影条件も実寸の入れ方も分かった状態で作れます。
有料に上げる判断
自店の考えでは、次のどちらかが起きたら有料を検討する時期です。
- 「Powered by DokimiAI」を消して自店のブランド体験として見せたい
- 帽子・背景・アバターなど、ピアス以外の試着や演出を使いたい
逆に言えば、ピアスの試着が売上に効いているかどうかは、無料のまま判断できます。効いていないなら有料にしても効きません。
まとめ
| コスト | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 月額 | ピアス試着のみなら | ¥0 |
| 透過PNG | 商品ごと・色ごと | 5〜30分/商品 |
| 実寸登録 | 商品ごと | 1分/商品 |
| 設置 | 最初の1回 | 15分 |
| 最初の1商品 | 試行錯誤 | 1時間 |
金額より時間。時間の大半は画像。画像は撮影で決まる。——これがAI試着の導入コストの実態です。
プランの中身と対応プラットフォームはDokimiAI のトップページにまとめてあります。